経営

自由診療の分割払いはどう整える?カード・医療ローン・院内分割の違い

高額な自由診療の支払い方法には、カードの分割・ボーナス払い、信販会社の医療ローン、院内分割があります。それぞれの仕組み、クリニック側のコストと入金、審査、割賦販売法・特定商取引法の留意点、患者への説明のあり方を公開情報をもとに整理します。

KEY POINTS

この記事の要点

  1. カード分割と医療ローンは入金がまとめて行われ、未収リスクをカード会社や信販会社に移せる
  2. 院内分割は外部への手数料がかからない代わりに、未収と回収の負担をすべて自院が抱える
  3. 支払い方法は自院の価格帯と患者層に合わせ、コストと未収リスクで選ぶのが確実

インプラントや矯正、美容医療など、1回の会計が数十万円を超える自由診療では、「一括では払えないが、分割なら検討したい」という患者さんが一定数います。支払い方法の選択肢をどう用意するかは、患者さんの利便性だけでなく、クリニックの手数料負担や資金繰り、未収のリスクにも直結します。

分割で支払う方法は、大きくカードの分割払い・ボーナス払い、医療ローン(信販会社の個別クレジット)、院内分割の3つです。結論から言うと、カードの分割払いと医療ローンは、患者さんがカード会社や信販会社に分割で返済し、クリニックには代金がまとめて入金される仕組みのため、未収のリスクを外部に移せます。一方、院内分割は外部への手数料がかからない代わりに、未収と回収の手間をすべて自院が抱えることになります。

どれが正解ということはなく、自院の価格帯と患者層に合わせ、コストと未収リスクで選ぶのが基本です。この記事では、3つの方法の仕組み、クリニック側のコストと入金のされ方、審査や手続き、割賦販売法・特定商取引法の留意点、患者さんへの説明で気をつけたい点を整理します。

3つの支払い方法の全体像

まず、それぞれの方法で「誰が誰に、いつ支払うのか」を押さえておきます。

  • カードの分割払い・ボーナス払い: 患者さんは手持ちのクレジットカードで支払い、支払い回数を選びます。クリニックにはカード会社(決済サービス)から、通常の締め・支払いのサイクルで入金されます。患者さんは分割の場合、カード会社に分割払い手数料を支払います
  • 医療ローン(信販会社の個別クレジット): 施術ごとに患者さんが信販会社にクレジットを申し込み、審査に通ると、信販会社が施術代金をクリニックに立て替えて支払います。患者さんは信販会社に分割で返済します
  • 院内分割: クリニックが患者さんと直接、分割払いの約束をします。代金は患者さんから毎月クリニックに支払われ、外部の会社は関わりません

クリニックから見ると、前の2つは「代金を外部の会社から受け取る」方法、院内分割は「代金を患者さんから少しずつ受け取る」方法です。この違いが、コスト・入金・未収リスク・法令上の扱いのすべてに表れます。

カードの分割払い・ボーナス払い

仕組みと患者さんの負担

クレジットカードには、1回払いのほかに、2回払い、ボーナス一括払い、分割払い、リボ払いといった支払区分があります。カード会社の案内では、ボーナス一括払いや2回払いは会員(患者さん)に手数料がかからない一方、3回以上の分割払いやリボ払いは、支払い回数や残高に応じた手数料を会員が負担するとされています。

患者さんにとっては、手持ちのカードをそのまま使えて、改めて審査書類を書く必要がない点が手軽です。ただし、分割払いやボーナス払いには、通常のショッピング枠とは別に「割賦取引利用可能枠」が設定されている場合があり、高額な施術では枠が足りずに承認されないこともあります。

クリニック側のコストと入金

クリニックが負担するのは、通常の加盟店手数料です。医療機関におけるカード決済手数料の相場は2〜3%程度とされ、医療機関向けの条件では1.5%前後の料率が提示されるケースもあります。分割払いの手数料は患者さんが負担するもので、クリニックが上乗せしたり肩代わりしたりする性質のものではありません。なお、カード払いの患者さんにだけ手数料分を上乗せすることは加盟店規約で禁止されています。詳しくはカード決済手数料は患者に上乗せできるのかで整理しています。

入金について、あるカード会社の加盟店向けの案内では、分割払いやリボ払いの売上も1回払いと同じ締切日・振込日でクリニックに支払われるとされています。患者さんが何回払いを選んでも、クリニックはカード会社から代金をまとめて受け取れるということです。

一方で、ボーナス一括払いは、夏・冬の取扱期間ごとに別の締切日・振込日が設定されている例があります。たとえば同じ案内では、冬から初夏にかけての利用分を夏のボーナス時期の後に振り込む区分が示されています。契約の形態によっては、ボーナス払いの売上の入金が数か月先になることもあるため、高額施術の売上をボーナス払いで受けることが多いクリニックは、自院の契約での入金日を確認しておくと資金繰りの見通しを誤りません。

確認しておきたい点

  • 自院の決済サービスが分割払い・ボーナス払いに対応しているか: 一括払いのみ対応の決済サービスもあります。対応状況はカードブランドごとに異なる場合もあります
  • 業種による制限: カード会社の案内には、飲食業や一部のサービス業では分割払いやボーナス一括払いなどを取り扱えないとするものもあります。契約時に医療機関として取り扱える支払区分を確認しておくと確実です
  • ボーナス払いの取扱期間: ボーナス一括払いには取り扱えない期間が設けられていることがあり、施術時期によっては選べない場合があります

医療ローン(信販会社の個別クレジット)

仕組み

医療ローンは、施術ごとに患者さんが信販会社とクレジット契約を結ぶ方法です。デンタルローンなどの名称で、インプラントや矯正、美容医療などの高額な自由診療向けに提供されています。多くの場合、クリニックが申込みの窓口になり、患者さんが申込書を記入または入力し、信販会社の審査を経て契約が成立します。

割賦販売法では、カードを使わずに、商品や役務(サービス)の代金を信販会社が事業者に交付し、2か月を超えて利用者から受け取る取引を「個別信用購入あっせん」と定めています。医療ローンの多くはこれに当たり、カードの分割払い(「包括信用購入あっせん」)とは別の規律を受けます。

なお、銀行などの金融機関が患者さんに直接お金を貸す「目的別ローン」の形をとる商品もあります。この記事では、クリニックが加盟店として関わる信販会社の個別クレジットを中心に説明します。

クリニック側のコストと入金

医療ローンを扱うには、クリニックが信販会社と加盟店契約を結ぶ必要があります。加盟店手数料の有無や水準、立替金が振り込まれる時期は、信販会社や契約内容によって異なり、一般には公開されていないことが多いのが実情です。患者さんの分割手数料の一部または全部をクリニック側が負担して、患者さんの手数料を抑えるプランが用意されることもありますが、その場合はクリニックのコストが大きくなります。

入金は、契約成立後に信販会社から施術代金がまとめて支払われるのが基本です。患者さんの返済が滞っても、通常は信販会社と患者さんとの間の問題となるため、クリニックが未収を抱えるリスクは小さくなります。ただし後で触れるように、クーリング・オフなどで契約が解除された場合には、受け取った立替金を返還することになります。

審査と手続き

信販会社は、契約を結ぶ前に、患者さんの年収、預貯金、他のクレジットや借入れの状況などを調べ、1年間に無理なく支払える額(個別支払可能見込額)を算定することが割賦販売法で義務付けられています。この調査には指定信用情報機関の信用情報が使われ、支払いが見込額を超える場合、信販会社は原則として契約を結べません。

そのため、医療ローンは希望しても審査に通らない患者さんがいること、審査や契約手続きに一定の時間がかかることを前提に運用する必要があります。また、契約を結んだクリニックは、支払総額や各回の支払額、施術の時期、契約解除に関する事項などを記載した書面を患者さんに交付する義務があります(割賦販売法第35条の3の8)。実務上は信販会社所定の書式を使うことが多いものの、交付の責任はクリニック側にもある点を押さえておきましょう。

院内分割(自院での分割払い)

仕組みとコスト

院内分割は、クリニックと患者さんの間で直接、支払いの回数と金額を決める方法です。外部の会社を通さないため、加盟店手数料や信販会社への手数料はかかりません。審査がないため、カードを持っていない患者さんや、医療ローンの審査に通らなかった患者さんにも対応できます。

一方で、その「手数料がかからない」は、未収リスクと事務の負担を自院が引き受けていることの裏返しです。

未収リスクと回収の負担

院内分割では、施術が終わった後も、残りの代金を毎月受け取り続ける必要があります。

  • 未収の発生: 転居や連絡不通、支払いの遅れが起きると、督促から回収までをクリニックが行うことになります。施術がすでに終わっている場合、回収の手段は限られます
  • 事務の負担: 入金の確認、遅れた場合の連絡、残高の管理を、受付や事務のスタッフが続ける必要があります
  • 資金繰りへの影響: 売上は計上しても、現金が入るのは数か月から年単位の先になります。院内分割の比率が大きくなるほど、手元資金に余裕が必要になります

なお、2020年4月施行の改正民法で、医師の診療に関する債権などに設けられていた職業別の短期消滅時効は廃止され、原則として「権利を行使できることを知った時から5年」などに整理されています。とはいえ、時効が延びたからといって回収しやすくなるわけではありません。未収を出さない設計が先決です。

美容医療の院内分割は「割賦販売」に当たり得る

割賦販売法は、代金を2か月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分割して受け取ることを条件に「指定役務」を提供することを「割賦販売」と定めています。そして同法の施行令は、美容を目的とした皮膚の美化、体型を整える、体重を減らす、歯の漂白のための医学的処置・手術などを、指定役務に含めています(一定の方法によるものに限られます)。

つまり、美容医療を院内分割で提供する場合、条件によっては割賦販売法の「割賦販売」に当たり、たとえば次のような規律を受けることになります。

  • 契約前に、現金価格、分割払いの価格、支払期間・回数、手数料の料率などの条件を示すこと
  • 契約後、遅滞なく、分割払いの価格、各回の支払額と時期、契約の解除に関する事項などを記載した書面を交付すること
  • 支払いが遅れても、20日以上の相当な期間を定めて書面で催告しなければ、契約の解除や残金の一括請求はできないこと
  • 契約が解除された場合に請求できる損害賠償等の額に上限があること

対象となるかどうかは施術の内容や支払条件によって変わるため、院内分割を制度として設ける場合は、契約書の書式を含めて専門家に確認しておくと安心です。対象外の診療であっても、支払回数・金額・遅れた場合の扱いを書面で明確にしておくことが、トラブル防止の基本になります。

法令上の留意点

特定商取引法の「特定継続的役務提供」

脱毛、にきび・しみの除去、しわ・たるみの軽減、脂肪の減少、歯の漂白といった美容医療のうち、一定の方法によるもので、提供期間が1か月を超え、かつ金額が5万円を超える契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たります(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。対象となる契約には、次のルールが適用されます。

  • クーリング・オフ: 法定の書面を受け取った日から8日以内であれば、患者さんは契約を解除できます。すでに受けた施術の対価を支払う必要はなく、支払済みの金額は返還されます
  • 中途解約: クーリング・オフの期間を過ぎても、患者さんは中途解約ができます。その際にクリニックが請求できる額には上限があり、美容医療では、施術の提供開始前は2万円、開始後は提供済みの施術の対価に加えて「5万円または契約残額の20%のいずれか低い額」までとされています

これらは、支払い方法にかかわらず適用されるルールです。カードで一括決済していても、院内分割でも、医療ローンでも、コース契約の解約や返金の手順をあらかじめ決めておく必要があります。

医療ローンのクーリング・オフは施術の契約にも連動する

医療ローンを使った特定継続的役務提供の契約では、割賦販売法にも独自のクーリング・オフの規定があります。患者さんは、書面を受け取った日から8日以内であれば、信販会社とのクレジット契約を書面で解除できます。そしてこの場合、クリニックとの施術の契約も解除されたものとみなされます。

このとき、クリニックは信販会社から受け取った立替金を返還しなければならず、すでに施術を行っていても、その対価を患者さんに請求することはできないと定められています。また、信販会社は特定継続的役務提供などの契約についてクレジット契約を結ぶ前に、加盟店であるクリニックの勧誘に問題がなかったかを調査する義務を負っており、特定商取引法に違反する勧誘などが認められれば、原則としてクレジット契約は結ばれません。

医療ローンは未収リスクを外部に移せる一方で、勧誘や説明の適切さが厳しく問われる方法だと理解しておくとよいでしょう。

カードの分割払いと「抗弁の接続」

カードの分割払いのように、支払いが2か月を超える取引は、割賦販売法の「包括信用購入あっせん」に当たります。この場合、支払総額が4万円以上であれば、施術に関してクリニックとの間でトラブルが生じたとき、患者さんはそれを理由にカード会社への支払いを拒むことができます(抗弁の接続)。医療ローンにも同様の規定があります。

施術の内容や説明をめぐってトラブルになれば、患者さんとの関係だけでなく、カード会社や信販会社との関係にも影響します。分割の方法を用意するほど、施術前の説明と記録の重要性は増すと考えておくべきです。

患者さんへの説明と、施術を急がせない配慮

費用と解約条件は施術前に説明する

厚生労働省は、美容医療サービス等の自由診療について、施術に要する費用(その費用で受けられる施術の回数や範囲、保険診療で実施できるかどうかを含む)と解約条件を、必ず施術前に丁寧に説明するよう求めています(平成25年9月27日付 医政局長通知)。分割払いを選ぶ患者さんには、これに加えて次の点を伝えておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

  • 支払総額(分割払いの手数料を含めた額)と、毎月の支払額・回数
  • 分割払いの手数料を誰に支払うのか(カード会社か、信販会社か)
  • 途中で解約した場合に、施術の契約とクレジットの契約がそれぞれどうなるか

支払い方法を理由に、施術を急がせない

同じ通知では、即日施術の必要性が医学上認められない場合に、即日施術を強要することなどは厳に慎むべきであり、やむを得ず即日施術を希望する人には、十分な説明と熟慮のための時間を設けたうえで実施することとされています。国民生活センターも、美容医療のトラブルについて、消費者にその場で契約・施術をしないよう呼びかけています。

分割払いの案内は、患者さんの選択肢を広げるためのものです。「分割なら今日始められます」「今日決めれば月々この金額で」といった形で、支払い方法を理由に契約や施術の判断を急がせることは避けるべきです。カウンセリング担当者や受付スタッフが同じ方針で説明できるよう、説明の範囲と言い回しを院内で統一しておくことをおすすめします。

広告では「支払方法」は示せるが、費用を強調しない

医療広告等ガイドラインでは、クレジットカードや電子決済が使えるか、分割払いができるかといった費用の支払方法は、患者の受診の便宜を図る事項として広告できるとされています。一方で、「今なら○円」のように費用を強調した広告は、品位を損ねる内容として行うべきでないとされています。分割払いの可否を案内すること自体は問題ありませんが、月々の支払額の安さを前面に出して誘引するような表現は避けるのが無難です。

自院に合った組み合わせの選び方

3つの方法の違いを、クリニック側の視点でまとめると次のようになります。

  • カードの分割払い・ボーナス払い: 追加の契約が少なく導入しやすい。コストは通常の加盟店手数料。入金はまとめて行われ、未収リスクは小さい。ただし患者さんのカードの枠に左右され、ボーナス払いは入金が遅くなる場合がある
  • 医療ローン: カードの枠を超える高額な施術にも対応しやすい。入金はまとめて行われ、未収リスクは小さい。一方で加盟店契約と審査の手続きが必要で、手数料の条件は契約次第。クーリング・オフ時の返還や勧誘の調査など、運用面の規律が重い
  • 院内分割: 外部への手数料がかからず、審査もない。一方で未収・督促・残高管理の負担と資金繰りへの影響をすべて自院が負う。美容医療では割賦販売法の規律を受け得る

これを踏まえると、選び方の考え方は次のように整理できます。

価格帯で考える

  • カードの枠に収まりやすい価格帯が中心: まずはカードの分割払い・ボーナス払いに対応できる決済環境を整えるのが現実的です。追加のコストがほとんどかからず、未収リスクもありません
  • カードの枠を超えやすい高額な施術がある: カードの分割払いに加えて、医療ローンを選択肢に用意する意味があります。導入前に、加盟店手数料、立替金の入金時期、解約時の返還手順を契約書で確認しておきましょう
  • 院内分割: 制度として常設するより、長く通院している患者さんへの個別対応など、例外的な扱いにとどめるクリニックも多いと考えられます。設ける場合は、対象・上限額・回数・遅れた場合の扱いを院内規程として決めておくことが前提です

患者層で考える

若い世代が多いのか、勤労世代が中心か、ボーナス時期に合わせて支払いたい患者さんが多いのかによって、使われる支払い方法は変わります。たとえば、ボーナス払いの需要が大きいクリニックでは、ボーナス払いの売上が入金されるまでの期間を資金繰りに織り込んでおく必要があります。実際の会計データから、どの支払区分がどのくらい使われているかを一度集計しておくと、判断がしやすくなります。

コストと未収リスクを並べて比べる

支払い方法の比較では、手数料の率だけでなく、未収になった場合の損失と回収の手間も含めて考えることが大切です。院内分割は手数料がゼロに見えますが、未収が1件出れば、その損失は手数料の差額を簡単に上回ることがあります。反対に、カード決済の料率そのものを見直せば、どの支払区分の売上にも効果が及びます。月のカード決済額が1,000万円のクリニックであれば、料率が0.5ポイント違うだけで年間60万円の差になります。

よくある質問

自由診療の高額な施術で、患者に分割払いを案内する方法にはどんなものがありますか?

主に、クレジットカードの分割払い・ボーナス払い、信販会社の医療ローン(個別クレジット)、クリニックが直接分割で受け取る院内分割の3つがあります。カードの分割払いと医療ローンは、クリニックには代金がまとめて入金され、患者さんはカード会社や信販会社に分割で返済する仕組みです。院内分割は外部の手数料がかからない一方、未収のリスクをクリニックが負います。

患者がカードの分割払いを選んだ場合、クリニックへの入金も分割になりますか?

なりません。カード会社の加盟店向けの案内では、分割払いの売上も1回払いと同じ締め・支払いのサイクルでクリニックに支払われるとされています。分割払いの手数料は患者さんがカード会社に支払うものです。ただし、ボーナス一括払いは取扱期間ごとに別の振込日が設定されている例があるため、契約内容を確認してください。

医療ローンを導入すると、クリニックにはどんなコストや手続きが必要ですか?

信販会社との加盟店契約が必要で、加盟店手数料の有無や水準、立替金の入金時期は信販会社や契約内容によって異なります。施術ごとに患者さんの申込みと審査があり、審査に通らない場合もあります。契約後には、支払総額や支払時期、契約解除に関する事項などを記載した書面を患者さんに交付する義務があります。

医療ローンで支払った美容医療の契約がクーリング・オフされたら、どうなりますか?

特定商取引法の特定継続的役務提供に当たる契約では、患者さんは書面を受け取ってから8日以内であれば、信販会社とのクレジット契約を解除でき、その場合はクリニックとの施術の契約も解除されたものとみなされます。クリニックは信販会社から受け取った立替金を返還し、すでに行った施術の対価も請求できないと定められています。

院内分割で注意すべき点は何ですか?

未収が発生した場合の督促や回収をクリニックが行う必要があり、入金確認や残高管理の事務も続きます。また、美容医療を2か月以上・3回以上の分割で受け取る場合は、割賦販売法の「割賦販売」に当たり、条件の表示や書面の交付、契約解除の手続きなどの規律を受けることがあります。支払条件は書面で明確にしておくことが基本です。

まとめ

高額な自由診療の支払い方法は、カードの分割払い・ボーナス払い、医療ローン、院内分割の3つに整理できます。カードの分割払いと医療ローンは、クリニックへの入金がまとめて行われ、未収リスクを外部に移せる方法です。院内分割は外部への手数料がかからない代わりに、未収と回収の負担を自院が抱えます。美容医療では、特定商取引法や割賦販売法の規律が支払い方法ごとに重なるため、解約・返金の手順と書面を整えておくことが欠かせません。

どの方法を用意する場合も、支払総額と解約条件を施術前に説明し、支払い方法を理由に判断を急がせないことが前提です。そのうえで、自院の価格帯と患者層に合わせ、コストと未収リスクで組み合わせを選ぶのが確実です。

カード決済は、どの支払区分を選ばれても加盟店手数料がかかる、自由診療クリニックの基本的な決済手段です。手数料の決まり方と下げる余地についてはクリニックのカード決済手数料は下げられるのかで、手数料の基本はカード決済手数料のしくみ、はじめてでも5分でわかる基本で解説しています。月の決済額と料率から年間の差額を試算できるカード決済手数料の見直し・削減額シミュレーションもご活用ください。当社でも、決済手数料をはじめとする経営コストの見直しについてご相談を承っています。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではなく、特定の決済事業者や金融商品を推奨するものでもありません。手数料・入金時期・取り扱える支払区分などの条件は事業者や契約内容によって異なり、変更されることもあります。割賦販売法・特定商取引法の適用の有無は契約の内容によって異なりますので、実際の運用にあたっては契約先の事業者や専門家にご確認のうえご判断ください。

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